1,2年生から始めればこんなに差がつく! 就活必勝セミナー

第4回 「将来、何をしたいかわからない」君たちへ
    ──現時点での「ベスト」を考えよう

それは9月に入ってからのことだった。僕が関わっている就活支援団体でこんなことがあった。
そこに集まっているのは、大学3年生がほとんど。いよいよ本格化する就活について、業界別スケジュールや自己分析について話をひとしきりした後、学生たちの質問に答えていった時だった。予想はしていたのだが……。

「将来、何がしたいかわかりません。興味のある業界もないのですが……」

有名私立大学に通う3年生の女子がそう質問を僕に投げかけた。
出た! この質問、夏から秋にかけての就活生の質問としては「定番」のものなのだが、毎回、少しばかり複雑な気持ちになる。その質問に対し「無理はない」と感じるとともに「やはり3年生でもそうなのか……」と、何となくやりきれない想いがわく。

僕自身は質問してくれた彼女に能力がなく、ダメな人間だと思っているわけではない。むしろ、素直でいい子だし、就活に対する意識も高いと感じている。彼女がなぜそういう質問をしなくてはならないのか……そういう状況にしてしまった日本の過去からの積み重ねに対して僕は複雑な気持ちになるのだ。

今の大学生を以前の大学生と比較すると、小さい頃から大人としっかり接した経験が激減していると実感している。地域のコミュニティは崩壊し、近所の「コワいおじさん」に怒られて謝りに行ったり、「輝いているお姉さん」が友達の姉で、そういう人と話したり、一緒に活動をしたりすることはなくなった。核家族化の影響で、おじいちゃんやおばあちゃんといった一番近い大人と頻繁に接することもない。両親は共働き、子供は塾や部活で家族の生活時間帯も噛み合わない……。普段話をするのは同級生や一部の先輩、そして先生だけ。学校と塾以外の場所にはほとんど行かない。さらに日本という国自体が「将来、日本はどういう国になるのか」というキャッチアップモデルを失い、「夢を描けなくなった社会」が追い打ちをかける。
こういったことが子供たちや学生から「夢」をはじめ、多くのものを奪った。学生は社会を映す「鏡」でもあるのだ。

だが、嘆いていても始まらない。「就活」は待ってくれない。時間は止まらないのだ。では、学生たちはどうしたらこの「閉塞状況」から脱出できるのだろうか? そのヒントを書き記していこう。

 

 

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