業界勢力図  銀行

銀行 ~ 国内の運営戦略見直しと海外事業の拡大が焦点に

銀行業界総資産ランキング&対前期比

1 三菱UFJフィナンシャル・グループ 234兆4,987億円 やや増加

2 みずほフィナンシャルグループ 177兆4,110億円 やや増加

3 三井住友フィナンシャルグループ 148兆円6,968億円 横ばい

4 りそなホールディングス 43兆1,106億円 横ばい

5 三井住友トラスト・ホールディングス 37兆7,040億円 やや増加

(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)

 

主要企業の最新動向&トピックス

1位 三菱UFJフィナンシャル・グループ

2005年にUFJホールディングスと経営統合し、三菱東京フィナンシャル・グループから社名変更した。傘下に三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ証券ホールディングス、カブドットコム証券、じぶん銀行などがある。邦銀一の海外ネットワークを有し、早くからニューヨーク証券取引所に上場。自社拠点拡充と事業買収の両面から海外事業を展開している。2008年に米国のユニオンバンクを完全子会社化し、2010年には出資を行っている米国投資銀行大手モルガン・スタンレーと合弁で三菱UFJモルガン・スタンレー証券を発足。2013年にはタイのアユタヤ銀行を子会社化している。2013年3月期の経常収益(※1)は4兆7,632億円、BIS基準自己資本比率(※2)は16.68%、狭義の中核的自己資本比率(Tier1)は11.7%。

 

2位 みずほフィナンシャルグループ

第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行を前身とするみずほホールディングス(現みずほフィナンシャルストラテジー)の子会社として2003年に発足し、親子関係を逆転して、みずほグループの統括企業となった。2006年、ニューヨーク証券取引所に上場。近年は組織再編を推進しており、2013年に傘下のみずほ証券とみずほインベスターズ証券の合併(現みずほ証券)、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の統合(現みずほ銀行)を実施している。2013年、傘下のみずほ銀行が暴力団関係者への融資を放置した問題が発覚、金融庁より業務改善命令を受けた。海外ではアジアや欧州に拠点を展開。近年はロシア、中近東、アフリカ地域において、拠点網の拡充や現地大手銀行との提携を推進している。2013年3月期の経常収益は7,503億円、BIS基準自己資本比率は14.18%、狭義の中核的自己資本比率は8.74%。

 

3位 三井住友フィナンシャルグループ

2002年に三井住友銀行の株式移転により設立。傘下に三井住友銀行、三井住友カード、SMBCフレンド証券などがある。2009年にサブプライムローン問題で経営難に陥ったシティグループから日興コーディアル証券を買収して子会社化(SMBC日興証券へ社名変更)し、 12年に及ぶ大和証券との提携を解消。2010年にニューヨーク証券取引所へ上場を果たした。国内では証券事業と信託業務の強化、海外ではアジア、中東での人員増強や拠点拡大を推進している。2012年に三井住友ファイナンス&リースと共同で英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの航空機リース事業を買収。2013年には、三井住友銀行がインドネシアの年金貯蓄銀行への出資を行っている。2013年3月期の経常収益は1兆0,737億円、BIS基準自己資本比率は14.71%、狭義の中核的自己資本比率は8.6%。

 

4位 りそなホールディングス

旧大和・あさひ銀行が母体の金融グループ。傘下にりそな銀行、埼玉りそな銀行などがある。2003年、財務基盤の立て直しのためにおよそ2兆円の公的資金投入を受けたことから実質国有化されていたが、2011年3月に半分以上を返済。約8年ぶりに国有化から抜け出し、実質的な経営権を握ることとなった。2016年の完済を目指している。2013年3月期の経常収益は8,321億円、国内基準自己資本比率は14.67%、狭義の中核的自己資本比率は10.74%。

 

5位 三井住友トラスト・ホールディングス

2011年4月、信託銀行2位の住友信託銀行と同3位の中央三井トラスト・ホールディングスが経営統合して発足した国内初のメガ信託。これにより住友信託銀行は同社の完全子会社となり、2012年に傘下の中央三井信託などと合併して三井住友信託銀行となった。傘下にはこのほか、三井住友トラスト・パナソニックファイナンス、三井住友トラスト・ローン&ファイナンス、日興アセットマネジメントなどがある。今後もメガバンクとは一線を画し、富裕層や企業の資産運用などを中心に信託銀行の強みを発揮していく方針。2013年3月期の経常収益は1兆1,157億円、BIS基準自己資本比率は14.10%、狭義の中核的自己資本比率は8.3%。

 

このほか、大手銀行にゆうちょ銀行(完全民営化に向け、持ち株会社の日本郵政が2015年の上場を目指している)がある。地方銀行は、ふくおかフィナンシャルグループ、横浜銀行、千葉銀行、ほくほくフィナンシャルグループ(北陸地方・北海道が基盤)、静岡銀行、山口フィナンシャルグループ、常陽銀行など多数。流通系銀行にはイオン銀行、セブン銀行、ネット銀行には住信SBIネット銀行、大和ネクスト銀行(大和証券グループ)、ソニー銀行、オリックス銀行、楽天銀行、ジャパンネット銀行、じぶん銀行がある。

 

※1 経常収益……銀行が通常の営業活動によって得た収益。一般企業の売上高に相当する。

※2 自己資本比率……経営の健全性を示す指標。この数値が大きいほど経営が安定していると評価される。自己資本比率の最低基準は、国際業務を行う銀行は国際統一基準(BIS規制)で8%、国内業務のみを行う銀行は国内基準で4%と定められている。

 

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