業界勢力図  エネルギー

石油 ~ 製油所の過剰設備縮小が進行。資源開発、海外、新エネルギーに活路

石油業界売上高ランキング&対前期比

1 JX日鉱日石エネルギー 8兆7,368億円 横ばい

2 出光興産 4兆3,746億円 横ばい

3 コスモ石油 3兆1,666億円 横ばい

4 東燃ゼネラル石油 2兆8,049億円 横ばい

5 昭和シェル石油 2兆6,292億円 やや減少

(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)

 

主要企業の最新動向&トピックス

1位 JX日鉱日石エネルギー

JXホールディングス傘下の石油精製元売り(外国資本の出資を受けていない民族系)。原油・ガス開発のJX日鉱日石開発は同グループ。「エネオス」ブランドのサービスステーション(SS)を展開し、ガソリン販売で国内シェアの3割超を占める。2010年に中国石油精製販売会社と合弁で輸出型石油会社「大阪国際石油精製」を設立。2012年には前年に買収したSS大手の一光グループを鈴与商事のSS運営子会社と事業統合し、さらなる経営基盤の強化を図っている。2014年春までに石油精製能力を3割削減する方針を打ち出し、製油所の過剰設備縮小を推進。一方で、燃料電池や太陽光発電など新エネルギー事業を拡大している。

 

2位 出光興産

民族系の石油精製元売り。石油・天然ガスの開発生産も手掛け、ノルウェー、イギリス、東南アジアを中心に探鉱・開発・生産プロジェクトを推進。2010年に米石油元売り大手の石油製品卸売事業を、2012年にはオーストラリアの燃料油販売大手を買収。2013年にはシンガポールの拠点強化やベトナムでの新製油所建設を開始するなど、海外事業の拡大に力を入れている。次世代ディスプレイ・照明に使われる有機EL材料など新規事業も育成中。国内の石油精製販売事業は効率化を進めており、2014年春までに徳山製油所の停止を予定している。

 

3位 コスモ石油

民族系の石油精製元売り。JX日鉱日石エネルギーとは精製・物流などの部門で業務提携関係にある。石油開発生産も手掛け、JXグループなどと共同出資する子会社を通じて、アブダビの沖合で3つの油田を操業。2007年にアブダビ首長国の政府系投資会社と資本・業務提携し、同国との関係を強化している。国内販売網の強化を図るため、2014年に総合商社・双日の子会社で石油事業を手がける双日エネルギーの買収を予定している。

 

4位 東燃ゼネラル石油

外資系の石油精製元売り。精製したガソリンなどの大半を親会社の米石油メジャー・エクソンモービルの日本法人に供給してきたが、2012年に同社を買収して独立し、新体制を発足。エクソンモービルが「エッソ」「モービル」などのブランドで国内約4000ヵ所に展開するSS事業を譲り受け、石油精製・販売事業の一体運営に移っている。石油元売り・三井石油の買収による国内販売網の拡大を目指しており、買収が完了すれば、2014年にも売上高でコスモ石油と並ぶ3兆円規模の企業となる。

 

5位 昭和シェル石油

オランダに本拠を置くロイヤル・ダッチ・シェル傘下の外資系石油元売り。サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコからの出資も受けている。傘下企業を通じ、国内3ヵ所で製油所を運営。SSは「シェル」とセルフ式の「ファンタジスタ」を展開している。太陽電池の製造販売にも注力しており、宮崎に国内最大の超大型工場を建設。

 

このほか、精製と原油・ガス開発のAOCホールディングス、精製元売りの太陽石油、燃料商社の伊藤忠ネクサス、三愛石油などがある。

また、石油・天然ガス開発生産会社には、アジア・オセアニア、中東など70ヵ国以上で開発生産プロジェクトに参画している国際石油開発帝石(INPEX)、国内・海外で石油・天然ガスの探鉱・開発を行う石油資源開発(JAPEX)などがある。

 

▶次ページでは電力業界を紹介。業界全体の動向については業界研究をチェック!

 


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