業界勢力図  運輸

陸運 ~ ネット通販の成長で宅配便好調。路線トラックはM&A・提携を活発化

陸運業界売上高ランキング&対前期比

1 日本通運 1兆6,133億円 横ばい

2 ヤマトホールディングス 1兆2,823億円 横ばい

3 SGホールディングス 8,713億円 横ばい

4 日立物流 5,475億円 横ばい

5 セイノーホールディングス 5,161億円 横ばい

(数字は2012年度の実績。有価証券報告書、決算資料に基づき作成)

 

主要企業の最新動向&トピックス

1位 日本通運

世界最大級の総合物流会社。路線トラック、通運、港湾運送、引越し、国際・国内航空貨物で国内首位。世界各地に輸送ネットワークを構築しており、中国などでの航空・海運事業も好調。近年は中国、欧州、中東で物流事業の強化を図っている。国内では、2010年に宅配便事業(ペリカン便)を日本郵便(郵便事業)へ譲渡し、宅配便事業から撤退。近年は3PL(企業物流の一括請負)事業に注力しており、2013年に連結子会社の日通商事(物流関連商社)、パナソニック ロジスティクス、NECロジスティクス(いずれも電機系物流)を完全子会社化し、事業の強化を図っている。米物流大手フェデックス・コーポレーションから日本国内の配送業務を請け負っている。

 

2位 ヤマトホールディングス

傘下のヤマト運輸で宅配便事業を展開する宅配便のパイオニア。宅配便国内1位、メール便国内2位。宅配便、メール便の取り扱いでセブン-イレブン、ファミリーマート、サークルKサンクスと提携を結んでいる。国際物流では海運最大手の日本郵船と提携関係にあるほか、ドイツの物流大手ドイツポストと国際メール便配達で協力体制を構築。台湾、上海、シンガポール、香港で日本流の宅急便事業を展開している。

 

3位 SGホールディングス

未上場の物流大手。傘下の佐川急便で宅配便事業を展開。宅配便国内2位、メール便国内4位。海外展開、ロジスティクス(原材料調達から生産・販売に至るまでの物流業務)事業など成長分野に経営資源を集中させ、主力事業へと育成中。中国、ASEANなど新興国市場を中心に3PLや貨物、宅配便事業を推進している。ドイツの国際輸送物流大手DHLと国際エクスプレス便で提携関係にあり、三井物産とタイの物流事業で、中国郵政傘下の中国速逓服務公司と日中間における宅配便で、それぞれ提携を結んでいる。2013年には3PL大手のハマキョウレックスと3PL子会社との統合と資本・業務提携を予定していたが、協議が不十分であるとして中止に至っている。

 

4位 日立物流

日立グループの物流会社。3PL国内1位。路線トラック大手の福山通運とは提携関係にあり、同社同様、イオングループの物流センターを運営。近年はメーカー系物流子会社の買収など国内外で積極的にM&Aを仕掛けており、2011年には自動車部品に強いバンテックを子会社化したほか、近鉄エクスプレスと共同出資で法人向け国際輸送サービス「プロジェクトカーゴ ジャパン」を設立している。

 

5位 セイノーホールディングス

路線トラック大手。傘下の西濃運輸で宅配便「カンガルー便」も手がける。ヤマトホールディングスと合弁でフランチャイズ方式による企業間物流事業を展開中。近年は東海道新幹線を使用した超特急便や機密保持ニーズに応える機密回収BOXなど、物流新商品を相次いで投入している。2009年に西武グループの西武運輸(2014年4月に「セイノースーパーエクスプレス」へ社名変更)を買収し、航空便を強化。2013年には福山通運と大規模災害時の運送に関する業務提携を結んでいる。

 

なお、株式の売却が行われず、現時点では完全民営化に至っていないためランク外としたが、日本郵便の2012年度の売上高は業界トップの1兆7,544億円。「ゆうぱっく」「ペリカン便」ブランドによる宅配便は国内3位、メール便は国内1位となっている。日本郵便は日本郵政グループの郵便事業会社で、2007年10月、郵政民営化により「郵便事業」として発足。2012年10月、郵便事業の前身である郵便局に吸収合併され、現社名へ変更した。同年4月に成立した改正郵政民営化法により、これまで政府が100%保有してきた日本郵政株の売却が可能となったことから、2015年秋の上場を目指すとしている。

 

▶次ページでは海運業界を紹介。業界全体の動向については業界研究をチェック!

 


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