1,2年生から始めればこんなに差がつく! 就活必勝セミナー

第8回 グローバル化する就活──日本人の「強み」「弱み」を知って
    キミたちの就活意識をグローバル化しよう

ここで、1人のアジアからの留学生をご紹介しよう。彼女は日本政府の留学制度によって来日し、有名国立大学に在籍しつつ、大学院のMBAコースにも籍を置いていた。日本語も堪能で、日本に来る前に日本語能力試験1級を取得し、来日後は大手小売店での接客アルバイトや大学の教授の論文を翻訳するアルバイト、母国の政府機関の通訳まで行っていたほど。本当に優秀な学生だ。

 

以下は、筆者が彼女にぶつけた質問と、それに対する彼女の答え。率直なコメントを全文ご紹介しよう。
1 日本人学生の強み、弱みは?

私が考えている日本人学生の強みは、1つのことにずっと一生懸命、頑張り続けられることです。日本人の友達の中で、部活をすぐやめてしまう人やいくつものサークルに入っている人などはいるものの、小さい時から何か1つのことを頑張ってきている人の方が多いと思います。「小学校から12年間サッカーをやってきた」「中学校・高校でずっとオーケストラ部に入ってたよ」「大学1年から4年までテニスをやってきた」など長期間で1つのことを頑張り続けた話はよく聞きます。社会に出ても仕事を一生懸命頑張り、簡単にあきらめたり他の仕事を探したりはしないと思います。

日本人学生の弱みは、他人と違うことを考えるのもするのもいやがることです。日本の教育は、枠から出るような考え方をさせないようにできていると思うので、日本人学生は同じような勉強の仕方や生き方などをしてきて、社会に出てもあまり目立ちたがらない人が多くいると思います。そのため、企業や社会のリーダーとなる「出る釘」のような人材が生まれにくいです。人と同じように仕事をしていれば、それなりに生活はできるんですが、やはりトップを目指すなら、普通の人と違うものを持っていなければ、なれないと思います。

 

2 日本人学生を見て、うらやましいところは?

日本人学生は勉強するための環境に恵まれていると思います。日本では格差問題が(アジアの国々と比べて)あまり深刻ではないため、お金がなくて教材が買えない、塾に通えないような家庭は少ないと感じます。教科書・辞書・PC・インターネットなど、あらゆる教材が簡単に手に入るため、本人さえやる気があれば、ほとんどなんでも勉強することは難なくできます。東南アジアの貧しい家庭で家計を助けるために仕事をしなければならない子どもやお金がなくて学校に行けない子どものことを考えると、日本人学生は恵まれているなーと思います。

 

3 日本人学生は甘えてるな、と感じるところは?

日本人学生は「勉強」に対して甘えていると私は感じます。簡単に手に入るからこそ、その価値に気づかないのかもしれません。特に、大学に入ってからはひどいです。成績を全く気にしなかったり(単位が取れればいいと)、普段の授業ではなく試験の日でさえ二日酔いで学校に行かなかったりする日本人の友達をよく目にします。彼らにとって、「大学」は何のためにあるのだろうと、考えさせられます。しかし、これは学生だけのせいではないと思います。いくら「C」や「D」、もしくは「F」(不合格)などがあっても、出身大学が名門なら気にしない日本企業も彼らのそのような行動に貢献しているかもしれません。

 

4     日本人学生のいいところは?

いいところは、部活やサークルなど自分が興味のあるものなら、ちゃんとルールを守り、責任を持つことです。「遅刻しない」「(請求された部活費用など)お金をちゃんと払う」「練習などをまじめにする」、つまり他人に迷惑をかけまいとする責任感が強いと私は思います。彼らが成長して、しっかりした日本人になり、まじめな日本社会ができるわけですね(日本の大人は今の若者は駄目と言っているそうですが、社会に対する責任感の強さの面では他の国と比べれば、非常に優れていると思います)。

 

5     このままだと日本の学生や若者はアジアや世界で競争に勝てないと思う?

このままだと勝つことは難しいと思います。理由は2つあります。第一に、今の日本の若者はより内向きになっています。「英語ができない」を克服するのではなく、「英語を使わない仕事をすればいい。ずっと日本にいればいい」と思うようになっている学生が増えていると思います。また、第二の理由は、教育や習慣上、出る釘のような人材が育ちにくいからです。皆が同じように生活してきたわけですから、その枠から出て1人で違うことをして目立つことを怖がる学生が多くいます。

よって、日本が再び経済大国になるのが難しいと考えるのは、日本人の若者は「外」に出たくないのと、出たいと思う人でもそのための能力が身についていないという2つの理由からです。

 

 


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