業界勢力図  医薬品・化粧品・トイレタリー

化粧品 〜 異業種参入で競争が激化。アジア市場の開拓がカギ

化粧品業界売上高ランキング&対前期比

1 資生堂 6,777億円 横ばい

2 花王 4,444億円 減少

3 ポーラ・オルビスHD 1,808億円 やや増加

4 コーセー 1,706億円 横ばい

5 DHC 1,141億円 増加

※花王はビューティケア事業、DHCは2011年7月期の売上高。

(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)

 

主要企業の最新動向&トピックス

1位 資生堂

グローバルなブランド戦略で世界でも5位のシェアを誇る。代表ブランドは「クレ・ド・ポー ボーテ」「マキアージュ」「ツバキ」など。2010年に1000円を切る初の低価格ブランド「専科」を投入し、日本とアジア諸国での共通展開を開始したほか、中国事業拡大の一環として中国向け新ブランド「DQ(ディーキュー)」を投入。エジプト、モンゴル、インドといった小規模な市場にも相次いで進出し、海外事業の増強を図っている。2010年には通販に強い米国の自然派化粧品会社ベアエッセンシャルを買収、2011年にインターネット通販に参入して海外展開も開始している。2012年には、アジア市場で販売している中間所得層向け化粧品ブランド「Za(ジーエー)」の国内販売をスタートし、低迷する国内化粧品事業のテコ入れを図っている。

 

2位 花王

トイレタリー業界首位。化粧品事業は第2の柱で、主なブランドは自社の「ソフィーナ」「エスト」「キュレル」、傘下カネボウ化粧品の「ケイト」「コフレドール」など。トイレタリー商品とともに「キュレル」「ソフィーナ」などの化粧品ブランドをグローバル展開し、2009年には中国の男性化粧品市場に参入。欧州では、カネボウ化粧品がロシアに設立した販売子会社を通じて高級化粧品ブランド「SENSAI」を展開。北米やアジアでの展開も視野に入れたグローバルブランドとして育成している。国内では、2013年にカネボウ化粧品の美白化粧品で肌被害の問題が起こり、自主回収を行った。

 

3位 ポーラ・オルビスホールディングス

訪問販売首位。主力ブランドに訪問販売の「ポーラ」、通信販売と店舗販売を展開する「オルビス」、一般流通チャネル向けの「pdc」などがある。2005年から開始したエステ併設型店舗「ポーラ ザ ビューティ」が順調に伸びており、カタログやネット販売比率も高い。海外事業の拡大にも力を注いでおり、ポーラは中国、ロシア、オルビスは中国、韓国、台湾などアジアを中心に進出。2011年にはオルビスが中国で通販サイトを開設し、北米やアジアに販路を持つアメリカのスキンケアメーカーH2O PLUSを買収している。

 

4位 コーセー

「コスメデコルテ」「雪肌精」「ファシオ」などが主力ブランド。2010年に米国の化粧品メーカー、コティと提携し、スポーツ用品メーカー、アディダスのスキンケア商品などの輸入・製造販売で男性用化粧品市場に参入した。百貨店や専門店での高価格帯販売に強みを持つが、ドラッグストアなどでのセルフ商品の拡販も推進。2011年には自社ブランドのネット通販を開始するなど、顧客の取り込み戦略を強化している。海外はアジアのほか、中東諸国へも進出。2011年よりアジアで百貨店向け高級ブランドを専門に扱う路面店の多店舗化を開始している。

 

5位 DHC

国内通販化粧品最大手。サプリメントやインナーウェアも手がける。「薬用ディープクレンジングオイル」「オリーブバージンオイル」「Q10シリーズ」などヒット商品多数で、コンビニエンスストアやドラッグストアなどでの店舗販売も行っている。海外ではアメリカを皮切りに、中国、シンガポール、マレーシアなどの東南アジア諸国を経て、フランス、イタリアにも進出。通信販売や直営店を展開し、販売網を着実に拡大している。

 

このほか、訪問販売主体のノエビアホールディングス、通信販売主体のファンケル、ドクターシーラボ、異業種参入組に富士フイルムホールディングス、ロート製薬などがある。

 

▶次ページではトイレタリー業界を紹介。業界全体の動向については業界研究をチェック!

 


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