データと感覚値から読み取る「2015年卒の就活動向」

知っておいてほしい、入社3年以内の離職率

最後にもう1つ、どうしても就活生の皆さんに知っておいてもらいたいデータをご紹介しよう。厚労省発表の「平成24雇用動向調査」がそれだ。報道で見た人も多いだろうが、今年から入社3年以内に離職した人のデータを業種別で初めて公開したものだ。

 

この調査によると、3年前の平成21年に卒業した若者の離職率は、中学を卒業した人では64%、高校を卒業した人では35%、大学を卒業した人では28%となっている。入社3年後の離職率は「七五三」(中卒7、高卒5、大卒3の意)と称されるが、まさにそれを実証したことになるし、入社後、企業とのミスマッチを感じている学生が多いことも物語っている。3年後に10人のうち3人、つまり3人に1人が退職するという事実をまずは肝に銘じてほしい。

 

業種別で見ると、

 

離職率の高い上位5業種

教育、学習支援業(48.9%)

宿泊業、飲食サービス業(48.5%)

生活関連サービス業、娯楽業(45.0%)

医療、福祉(38.55%)

不動産業、物品賃貸業(38.5%)

 

離職率の低い上位5業種

鉱業、採石業、砂利採取業(6.1%)

電気・ガス・熱供給・水道業(9.7%)

製造業(鉄鋼業)(11.3%)

製造業(非鉄金属製造業)(11.3%)

製造業(化学工業、石油製品、石炭製品製造業)(11.5%)

 

となっている。また規模別では、以下のような結果となっている。

 

事業所規模別の離職率

5人未満 59.2%

5〜29人 49.8%

30人〜99人 37.9%

100〜499人 30.1%

500〜999人 26.3%

1,000人以上 20.5%

 

まずは、これらの調査結果をしっかり見てほしい。ただし、離職率の高い業種や離職率の高い規模の企業が悪い、とは一概には言い切れない。個々の業界や企業には個別の事情も存在するからだ。

 

それよりも、これから就活をする人が意識すべきことは、自分に合った企業を早い段階できちんと見つける「マッチング」と、各企業に対する「志望度の明確化」だろう。自ら主体的に企業について調べ、自分の持つ能力や強みと擦り合わせ、志望度をはっきりさせれば、その時点で「この企業で生きていきたい」という覚悟が決まる。就活に対する主体的な姿勢が「マインドセット」を促すのだ。

それをしっかりやらないまま、なんとなく就職をしてしまうと、ミスマッチの溝は埋まらず、さりとて、この企業でやって行くという強い意志も持っていないので、結果、離職という事態も起こりうる。このデータは、そういった事実を語っていると考えてほしい。

 

 


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