業界勢力図  半導体・電子部品

半導体 ~ スマホ向けで需要拡大も、海外勢に押され苦戦続く

半導体業界売上高ランキング&対前期比

1 東芝 9,029億円 やや減少

2 ルネサスエレクトロニクス 7,857億円 減少

3 ソニー 3,019億円 大幅減

4 富士通 2,896億円 減少

5 ローム 2,401億円 横ばい

※東芝、ソニー、富士通、ロームは半導体部門の売上高

(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)

 

主要企業の最新動向&トピックス

1位 東芝

半導体世界シェア5位。記憶用半導体NAND型フラッシュメモリ世界2位。2011年に半導体製造設備をソニーに譲渡し、不採算のシステムLSI(複数の機能を1つのチップに集積した半導体素子)での同社との合弁関係を解消。以降はシステムLSIの生産を韓国サムスン電子などに委託して国内の生産拠点を半数にまで削減し、得意のメモリ事業に経営資源を集中させ、2013年より主力の四日市工場の設備増強に着手している。同年にはパワー半導体の量産を開始し、市場規模の拡大を目指している。

 

2位 ルネサスエレクトロニクス

国内最大、世界シェア6位の半導体専業メーカー。2010年にNECエレクトロニクス(NECの半導体事業を分社)とルネサステクノロジ(日立と三菱電機の半導体事業の統合会社)の合併で誕生した。主力の自動車用マイコンでは世界シェアの4割を占めるが、業績悪化に陥り、海外ファウンドリ大手への生産委託を拡大。同時に、生産拠点の集約や人員削減など経営再建を進めている。2012年には、再建を主導する政府系ファンド・産業革新機構の要請に応じ、母体企業であり主要株主であるNEC、日立製作所、三菱電機の3社によるリストラ資金の負担や社員引き受けが決定。同機構とトヨタ自動車など取引先8社の買収による再建策も実施される運びとなった。これにより、富士通、パナソニックと協議を行っていた不採算のシステムLSI事業の統合計画から離脱した。

 

3位 ソニー

2000年に大胆な組織改革を断行し、半導体事業の本格的な育成を開始。近年はスマートフォンのカメラやデジタルカメラに不可欠なCMOSイメージセンサー(相補性金属酸化膜半導体を用いた撮像素子)を強化中で、設備投資を加速している。2011年には、東芝に売却したゲーム機向けの高性能半導体生産設備を買い戻し、需要が急拡大している高画質のデジタルカメラやスマートフォン向けの半導体の生産に切り替え、国内での生産体制の増強を図っている。

 

4位 富士通

業績悪化により、近年は半導体事業の構造改革を推進中。2013年には不振のシステムLSI事業をパナソニックと事業統合し、製造事業を台湾のファウンドリ大手TSMCと設立したファブレスの新会社へ移管。子会社である富士通セミコンダクターの三重工場も同新会社への移管を検討するなど、ファブライト化を急速に進めている。また、同年には不採算のマイコン・アナログ事業を米国の半導体メーカーに売却。収益力・競争力の見込めるパワー半導体事業は米ベンチャーのトランスフォームとの事業統合を実施し、早期の量産化を目指すとしている。

 

5位 ローム

カスタムLSI(特定の用途・製品向けに設計・製造される半導体チップ)業界首位。電子部品メーカーとしてスタートし、半導体の総合メーカーへと成長。事業拡充のため、2008年に電子通信機器メーカーの沖電気工業が半導体事業部門を分社化して設立したOKIセミコンダクタ(現ローム・ラピスセミコンダクタ)を買収している。近年は、世界に先駆けて量産を開始したパワー半導体に力を入れ、省エネ、小型化、高機能化を推進。2010年にはインド、2011年にはブラジルに販売会社を立ち上げ、海外展開の拡大を進めている。

 

▶次ページでは電子部品業界を紹介。業界全体の動向については業界研究をチェック!

 

    1. 1 2

  • 前のページに戻る

会員の方はこちら

教師番号(※教師番号がない方はメールアドレス)
パスワード

ログイン

  • 新規会員登録はこちら
  • 採用お祝いポイントプレゼント!
  • 掲載希望の企業様へ 是非徒も貴社の広告宣伝、求人活動にご活用ください。