業界研究  造船重機・プラント・工作機械

高い技術力で国内外の産業や社会に貢献

業界の動向

造船重機業界

2008年のリーマンショック前の好況時に大量に発注された建造船がここ数年で順次竣工し、造船業界では世界的な船舶の過剰供給状態が続いている。これにより新造商船の発注は激減し、船価も急落。その少ない需要を巡り、中国・韓国勢が低価格競争を展開したことから、日本メーカーの受注量は激減している。このまま新たな受注が確保できない状況が続けば受注残が底を付き、2014年以降は国内の多くの造船メーカーで造る船がなくなるという、かつてない危機に陥る可能性がある。

 

この「2014年問題」を受け、総合重機・造船各社は造船部門の統合や技術提携、海洋資源開発など新分野の開拓などに動いており、今後は造船所の閉鎖や人員整理など大規模なリストラに踏み切る企業も増えると見られる。また、2014年以降に建造される船舶から導入される新たな環境規制(大型船やタンカーなどに二酸化炭素排出量の大幅削減を義務づける国際的な規制)を前に、二酸化炭素の排出を大幅に削減するエコシップ(省エネルギー船)の開発で受注の巻き返しを図る動きも活発化している。

 

プラント業界

2008年以降、低迷が続いていたが、2010年以降は新興国のエネルギー需要の拡大などで受注が回復。近年は石油化学や発電の分野で価格競争力を武器に韓国・中国勢が攻勢を強めているが、日本勢は得意とするLNG(液化天然ガス)プラントを中心に業績を伸ばしている。今後は、シェールガスを原料としたLNGや石油化学などのプラント建設計画が相次いでいる米国での大型案件の受注が期待されている。

 

工作機械業界

日本の工作機械業界は27年連続で生産額世界一の座に君臨してきたが、世界的な不況による需要減には勝てず、2009年以降は中国に1位の座を譲りわたしている。しかし、新興国市場の拡大と欧米市場の復調にともない、2010年半ば以降は緩やかに受注が回復。2012年度後半は中国の景気低迷などでやや失速したものの、2013年以降は再び回復に向かっている。しかし、自動車や電機、機械など国内製造業の生産拠点の海外シフトが進む中、工作機械メーカーの国内の受注額はピーク時の半分程度に落ち込んでいる。今後の成長には全体受注額の7割を占めるまでに成長している外需が欠かせないことから、各社は海外企業との提携、国外の生産拠点や販売網の拡充などに力を入れ、海外展開を加速させている。

 

中国の景気減速により、2012年の産業用ロボットの出荷額は前年より1割ほど少ない5,409億円となった(日本ロボット工業会調べ)。しかし、今後も中国を中心に需要拡大が見込まれており、各社は同国での現地生産に着手している。

 

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