業界勢力図  自動車

自動車 ~ 新興国でのシェア争い、エコカー開発競争が激化

自動車業界売上高ランキング&対前期比

1 トヨタ自動車 22兆0,641億円 大幅増

2 ホンダ 9兆8,779億円 増加

3 日産自動車 9兆6,295億円 横ばい

4 スズキ 2兆5,783億円 横ばい

5 マツダ 2兆2,052億円 やや増加

(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)

 

主要企業の最新動向&トピックス

1位 トヨタ自動車

自動車販売台数で世界・国内ともに1位。子会社に、軽自動車に強いダイハツ工業、商用車製造の日野自動車がある。ダイハツ工業と相互にOEM供給を行っており、マツダにハイブリッドシステム技術のライセンス供与、富士重工業(スバル)にOEM供給を行っている。独BMWとは環境技術や燃料電池車の開発で、米フォードとは自動車向けソフト開発など情報技術分野で提携関係にある。国内ではハイブリッド車「プリウス」、同車の派生車種である小型ハイブリッド車「アクア」が好調で、2012年の新車乗用車販売台数ランキングでアクアが1位、プリウスが2位を獲得している。同年には自社の既存ブランドをベースにした電気自動車「eQ(イーキュー)」を発表し、2015年には燃料電池車の投入を予定。プラグインハイブリッド車のV2Hへの取り組みや、スマートハウスによるEV関連のインフラ整備など、環境技術の開発にも力を入れている。また、複数の車種で同じ部品を使う部品の共通化を進めており、部品を共通化させた車の発売を2015年に予定している。

 

2位 ホンダ

自動車販売台数世界8位、国内2位。二輪車世界大手。多くの自動車会社が他社との連携に走る中、自主独立路線を保つ。ロボット「アシモ」や小型ジェット機も手がける。2012 年に中国で「インサイト」などハイブリッド車の発売を開始し、2014年をめどに同国でのハイブリッド車生産を目指すなど、新興市場展開を強化中。国内では軽自動車、小型車、ハイブリッド車の拡充に力を入れており、2012年に自社の既存ブランドをベースにしたプラグインハイブリッド車や電気自動車、2013年には第3のエコカーを投入。スマートハウスや燃料電池車の開発も推進しており、2013年に米ゼネラル・モーターズと燃料電池車などの共同開発で提携を結んでいる。また、小型車とSUV、2014年発売のセダンで約5割の部品を共通化する計画を立てている。

 

3位 日産自動車

自動車販売台数世界4位(資本・業務提携関係にある仏ルノーの販売台数含む)、国内5位。独ダイムラー、ルノーと低燃費の小型エンジン、自動変速機の生産で提携を結んでおり、独ダイムラーとは米フォード・モーターと共に燃料電池車の共同開発も行っている。2012年に米国で電気自動車「リーフ」の量産、中国で電気自動車の生産を開始。新興国での販路拡充にも注力している。国内ではスズキ、三菱自動車、マツダと提携し、軽自動車や小型商用車などのOEMや相互供給を実施。三菱自動車とは軽自動車を共同開発するための合弁会社を設立しているほか、2013年には電気自動車やセダンの生産・商品展開や技術開発で新たに提携を結んでいる。同年、ルノーと進めている部品の共通化を取り入れた国内初の多目的スポーツ車(SUV)を発表。傘下の露自動車最大手アフトワズと新会社を設立し、現地での部品の購買活動を共通化して調達コストを低減する計画も立てている。

 

4位 スズキ

自動車販売台数世界10位、国内3位。二輪車国内大手。「ジムニー」「ワゴンR」などの軽自動車で国内2位、二輪車世界大手。伊フィアットにディーゼルエンジンを供給。2010年に独フォルクスワーゲン(VW)と包括提携の契約を締結したが、わずか1年9ヵ月で決裂し、VWの保有株を巡り係争中。インドや中国での自動車販売が好調で、インドでは乗用車市場のシェア5割強を誇る。一方、アメリカでは採算面で難しくなった四輪車販売事業から撤退するとともに、収益拡大が見込める二輪車などへ事業を集約している。国内では、日産自動車、三菱自動車と相互OEM供給、マツダに軽自動車のOEM供給を実施。2011年に軽自動車「アルトエコ」で第三のエコカーに参入。2013年をめどにプラグインハイブリッド車の発売を予定していたが、延期となっている。

 

5位 マツダ

自動車販売台数国内6位。伊フィアットとスポーツカーの開発などで提携を結んでいる。米フォード・モーターとも提携関係にあるが、近年はフォードの資金難による持株売却で関係が希薄になりつつある。ロータリーエンジンを搭載した自動車の量産を続けている世界唯一のメーカーで、欧州やオーストラリアでの評価が高く、輸出比率は約8割にのぼる。ハイブリッド車では他社に出遅れていたが、トヨタから「プリウス」の技術ライセンス受け、2013年に新型ハイブリッド車の販売開始を目指している。エンジン車でありながら低燃費と低コストを両立した新技術「スカイアクティブ」で小型車「デミオ」など第3のエコカーを投入。トヨタ自動車、日産自動車と相互OEM供給を行っており、スズキからは軽自動車のOEM供給を受けている。

 

このほか、ダイハツ工業(トヨタ自動車グループ。販売台数国内4位。軽自動車国内首位)、富士重工業(「スバル」ブランド。販売台数国内7位)、三菱自動車(三菱グループ。販売台数国内8位)がある。

 

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