業界研究  外食

多様化する「食」へのニーズに応える

業界トピックス

専門店化、脱・居酒屋……ファミレスと居酒屋の戦略

ファミリーレストランと居酒屋チェーンでは、業績向上に向けたさまざまな取り組みが進められている。ファミリーレストランで目立つのが、専門性の高い店舗に経営資源を集中し、差別化を図る動きだ。代表的な例は、主に既存店を業態転換する形で出店しているステーキ・ハンバーグ主体の「カウボーイ家族」(ロイヤルホールディングス)や「ステーキガスト」(すかいらーく)。いずれも好調に売上を伸ばし、出店を加速している。一方、居酒屋チェーンは居酒屋以外の新業態の開発を推進している。ワタミは既存店をモダンな内装に転換し、イタリアン、スパニッシュ料理を中心としたBARU&DINING 「GOHAN」を展開。つぼ八はパスタ業態の出店を加速している。

 

国境を越えたチェーン展開が本格化

低迷する国内市場に見切りをつけ、外食各社は国境を越えたチェーン展開を本格化している。中でも彼らが熱い視線を注ぐのは、人口規模が大きく、今後も経済成長が見込める中国や東南アジアなどの新興国。牛丼の吉野家ホールディングスは、2013年に海外店舗数が600店舗を突破、2015年度末の1500店達成に向けて海外出店を推進している。同じく牛丼の「すき家」を展開するゼンショーも、中国、ブラジル、タイなどで同店を82店舗展開(2013年11月末時点)。ファストフード「モスバーガー」のモスフードサービスは中国や台湾など8つの国や地域に316店舗を出店している(2013年9月末時点)。このほかにも居酒屋のワタミやモンテローザ、回転寿司のあきんど寿司ローやカッパ・クリエイト・ホールディングス、丸亀製麺のトリドールなど大手がこぞって海外進出を果たしている。

 

拡大する中食市場に外食企業が本格参入

苦戦する外食各社を尻目に、総菜や弁当などの中食企業は好調に売上を伸ばしている。不況で消費者の節約志向が強まっていることに加え、東日本大震災による節電の影響で女性の利用客が増加したこともあり、これまで以上にニーズが拡大。マクドナルド、モスバーガー、ワタミなどの外食大手が調理食品の宅配サービスで中食市場へ進出する動きも活発化している。今後は高齢化の進行で食料品などの買い物が困難な「買い物弱者」の増加が予想されることから、ますますの市場拡大が見込まれており、コンビニやスーパーを巻き込んだ競争も激しくなる見通しだ。

 

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