業界研究  医薬品・化粧品・トイレタリー

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業界の動向

医薬品業界

高齢化の進行で国内の医薬品市場は緩やかに拡大を続けており、アメリカに次ぐ世界第2位の市場規模を維持している(2012 IMS Health. IMS WorldReviewより)。しかし、国が医療費抑制のため2年に一度実施する薬価(医療用医薬品の公定価格)引き下げにより、大幅な成長は期待しにくいのが現状だ。

 

こうした中、医薬品メーカー各社は、主力薬が相次いで特許切れを迎える「2010年問題」に直面。国が使用を後押しする安価なジェネリック医薬品(後発医薬品)にシェアを奪われている。一方で、欧米企業は日本市場への新薬投入を加速しており、国内での競争は激しさを増している。

そこで、国内各社は新たに収益の核となるような新薬の開発・供給に注力。開発に必要な資金力の強化や海外での販路拡大を目的に、国内外での買収・統合を進めている。また、後発薬メーカーを買収して自らジェネリック医薬品事業に乗り出し、需要が拡大している中国やブラジルなどの新興国市場に進出する動きも活発化している。

 

化粧品・トイレタリー業界

日用品を扱う化粧品・トイレタリー業界にあっても、少子高齢化や消費者の節約志向による低価格化の波は避けられず、近年、国内市場は横ばい状態が続いている。

 

化粧品業界では、医薬品や化学、食品などの異業種メーカーの参入で競争が激化。化粧品各社は中国や東南アジアなど新興国市場の拡大に力を入れているが、異業種参入組も次々と海外進出を果たしており、今後も熾烈な争いが続くとみられる。

国内市場では、大手が主力とする2000〜5000円の中価格帯商品が低迷。一方、2000円以下の低価格帯商品と、5000円以上の高価格帯商品は伸びており、価格帯の二極化が進行している。利益率の悪化やブランドイメージの低下を理由に、これまで低価格帯商品への参入を見合わせてきた大手各社も、相次いで投入に踏み切っている。販売チャネル(販売ルート)にも変化が見られ、主力チャネルが大手の得意とする百貨店からドラッグストアや通信通販へと移行。これを受け、大手が百貨店向けブランドのネット販売に参入したり、百貨店がブランドを横断して取り扱う新業態を展開したりと、新たなチャネルを活用する動きが広がっている

 

国内市場が低迷する中、トイレタリー大手はアジアを中心とする新興国市場の開拓に活路を見いだし、販路や生産拠点の拡大を進めている。しかし、これらの市場には、すでに欧米の大手メーカーが根を下ろしており、日本勢がシェアを拡大するのは簡単ではない。各社は、その国の文化や生活習慣に適した商品展開に力を入れることで、現地におけるブランド力強化に努めている。

一方の国内市場では、少量で高い洗浄力を持つ衣料用液体洗剤、香りづけ機能のある柔軟剤や衣料用消臭スプレーなどの付加価値を高めた商品の開発により、各社は店頭価格の低下食い止めや消費拡大、他社との差別化を図っている。このほか、高齢者人口の増加に対応した大人用紙おむつ、自動車運転免許を取得する女性の増加に着目した女性向けの自動車用芳香・消臭剤は、新たな需要を掘り起こした成功例で、今後も市場の拡大が期待されている。

 

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