業界研究  エネルギー

日々の生活や企業活動に不可欠なエネルギーを供給

業界の動向

石油業界

少子高齢化による車離れや地球温暖化対策などの影響で、国内の燃料油需要は年々縮小している。このまま石油の供給過剰状態が続けば過当競争に拍車がかかり、業界全体が共倒れしかねない。事態を重く見た政府が「エネルギー供給構造高度化法」で業界の設備集約を促す新たな規制を導入したこともあり、国内に複数の製油所を構える大手石油元売り各社は、製油所の統廃合などによる過剰設備の削減を急いでいる。また、天然ガスや金属といった資源開発の拡大や海外市場の開拓、新エネルギー分野の強化など、収益源を多様化する動きも活発化している。

 

石油開発生産分野では、依然として欧米の石油メジャーが生産量で日本勢を大きく引き離しており、中国やブラジルなど新興国企業の台頭も著しい。そうした中、日本を代表する原油・ガス開発の専門メーカー・国際石油開発帝石がオーストラリアで大型LNG(液化天然ガス)プロジェクトを進めるなど石油メジャーに次ぐ活躍を見せ、注目されている。

 

電力業界

2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故を機に原子力発電への反発や安全性への懸念などが高まり、再稼働の見通しが立たない原発が全国で多発。電力業界は大きな岐路に立たされている。2012年7月に関西電力大飯原発の一部が再稼働したが、原発の安全性を審査する新規制基準のクリアや地元自治体による同意など再稼働までのハードルは高く、その他の原発が早期に営業運転を再開できるかどうかはいまだ未知数だ。電力各社は休眠中の火力発電所を再稼働させて発電能力の確保を図っているが、石油やLNGの価格高騰で燃料調達コストが急増し、収益を圧迫。事業立て直し中の東京電力を筆頭に、軒並み経営状態が悪化している。政府が発送電分離を含めた電力全面自由化に向けて動き出したこともあり、今後は電力大手の地域独占状態が崩れる可能性も浮上するなど、業界の見通しは混沌としている。

 

ガス業界

近年はオール電化の普及で家庭用ガスの需要が縮小し、ガス各社はコージェネレーションシステムを活用した発電事業に参入。電力や家庭用燃料電池「エネファーム」の販売で電力業界に対抗してきた。しかし、福島第一原発事故以降、電源多様化の動きなどを背景に産業用や発電用のガス需要が増大。業務用・産業用を中心にコージェネレーションシステムの需要も伸びていることから、各社は家庭用燃料電池の拡販にも一層、力を注いでいる。一方で、大規模災害時に他社とガスを相互融通する提携契約やパイプラインの新設などを推進し、危機管理体制の強化も図っている。

 

政府が2016年をめどに家庭向け電力小売りの全面自由化を実施する方針を固めたことから、今後は業種を超えた競争が激しくなると見られる。

 

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